手のひらの東京タワー

悲しくて涙が出るわけではない。この時間帯のバスは孤独を感じるな。私は涙脆い。大袈裟ではなく、その人に深く感情移入をしてしまうのだ。恐ろしいほど、相手を知らなくても泣けてしまうのだ。最近は本屋さんでよく泣く。すきな作家が言葉を残していたら、それを見て泣ける。良い文章を書く作家を発見したら、泣ける。大橋歩さん。大橋さんは、本当に良い文章を書くなぁ…。アルネを全種類揃えたいくらい夢中になってしまった。コムデギャルソンを着こなす姿も可愛くて。何気ない言葉も深くて泣きたくなる。『いい、すごくいい…』って心の中で言って涙腺さんにそれが伝わって涙がぐぅっと目頭に溜まる。悲しいわけではなくて、感動に近いのかな。昔から、人の文章に弱い。でも色々なものにすぐにときめくわけではなく、何年に一度とかそんな割合。原点は何だろう…。西加奈子の「さくら」かな。それか高屋奈月の「フルーツバスケット」かな。どちらも初めて読んだのは小学生で感銘を受けたと言うか、ショックを受けたと言うか。なかなか重々しかったな。でもそこから夢中になってしまって、揃えた。デビュー作も新作も全て。その後、誰かの文章に感動して泣くことはなかったんだけど、高校生のときに志村貴子の「青い花」に出会って、夢中になった。これもまた、揃えちゃったもんなぁ…。人の書く文章は優しい。守ってあげたい。私の心の中で、誰にも汚されないように守ってあげたい。今度はいつときめくだろう。